日本エッセイスト・クラブ賞

日本エッセイスト・クラブは、昭和27年『日本エッセイスト・クラブ賞』を制定、毎年新人エッセイストの発掘に努めてまいりました。2023年で71回を数え、受賞作には賞金と賞状が贈られました。受賞作は原則として毎年2点。賞金は当クラブ会員の会費でまかなわれているのが特徴です。72回の応募締切りは3月4日、発表は5月下旬(新聞紙上)、贈呈式は6月下旬の予定となっています。


第71回(2023年) 日本エッセイスト・クラブ賞    第70回日本エッセイスト・クラブ賞

 
           伊澤理江氏著
     『黒い海 船は突然、深海へ消えた』
            講談社

 

           吉原真里氏著
    『親愛なるレニー レナード・バーンスタンと
     戦後日本の物語』
         アルテスパブリッシング

 

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日本エッセイストクラブ賞制定に就て  (昭和27年10月発表)  

複雑なる世界情勢の中に、ともかくも独立の歩を踏み出したわが国は、政治、経済、思想その他各般に亘り、多くの問題に直面しつつあり、向後において、さらにこれら諸問題の深刻化が予想されるのであります。公正な世論の喚起という面において、本クラブに負荷せられた使命の愈々重加するを痛感するのでありますが、同時にまた、新鋭なる評論家、エッセイストが一人でも多く出現、自己の正しい自覚において新鮮なる活躍を展開されるよう切望して止まぬものであります。  依って本クラブは、新人エッセイストを待望、これを激励する意をもって、このたび日本エッセイスト・クラブ賞を制定することに致しました。  右賞は文藝作品等創作を除く一切の評論、随筆(一定期間内に発表されたもの)等の中より、各関係方面の推薦を受け、本クラブに設けられた詮考委員により慎重に詮考の結果、最優秀と認められたもの一篇にたいし記念品及び賞金を授与するものであります。     昭和二十七年十月


第72回(2024年)(募集要綱)

日本エッセイスト・クラブ賞審査基準(募集要綱)

  1. 2023年4月1日より、2024年3月31日までの間に、初版として出版された書籍とする。
  2. クラブの正会員(個人会員)の作品、及び共同著作は原則として審査の対象としない。ただし、入会の翌年度から5年以内に発表した作品は審査の対象とする。故人となられた方の作品は審査の対象としない。
  3. 著者の国籍は問わないが、日本語で書かれたもの。(翻訳は不可) 新聞、雑誌等に掲載され、その後出版されたものでもよい。
  4. 他の類似の賞を最近受賞されている方、及びすでに文名を広く知られている方の作品は除く。
  5. 随想、評論、ノンフィクション、伝記、研究、ドキュメント、旅行記など、エッセーを広い範囲でとらえる。特に新鮮で感銘を覚える新人の発掘に努める。   

第72回日本エッセイスト・クラブ賞審査委員会委員長 秋山 秀一


(参考)

日本エッセイスト・クラブ賞の応募は、当クラブの会員推薦または出版社推薦が原則ですが、著者からの直接応募も可能です。応募締切り(2024年3月4日)までに、審査のための図書(応募作品)1作品につき2部を事務局へご郵送ください。なお応募作品が締切り以後31日までに発行される場合は、事前に事務局にお知らせのうえ、発行され次第お送りください。


問い合わせ
クラブ賞の詳細については下記にお問い合わせください。

〒105-0004 東京都港区新橋1-18-2 明宏ビル別館6階
日本エッセイスト・クラブ事務局
電話 03(3502)7287    FAX 03(3502)7288
メールアドレス:info@essayistclub.jp


日本エッセイスト・クラブ受賞作一覧

  氏   名 書    名 発行所
第1回
1953年
市川 謙一郎
吉田  洋一 
内田   亨
一日一言
数学の影絵
きつつきの路
北海タイムス社
東和社   
東和社
第2回
1954年
島村 喜久治
秋山 ちえ子
須田   栄
院長日記
私のみたこと聞いたこと
千夜一夜
筑摩書房
NHK放送
東京新聞社
第3回
1955年
木下  広居
片山  広子
イギリスの議会
燈火節
読売新聞社
暮しの手帖社
第4回
1956年
小林   勇
清水   一
藤田  信勝
遠いあし音
すまいの四季
不思議な国イギリス
文藝春秋
暮しの手帖社
毎日新聞社
第5回
1957年
小熊   捍
中西  悟堂
森   茉莉
桃栗三年
野鳥と生きて
父の帽子
内田老鶴圃
ダウィット社
筑摩書房
第6回
1958年
大牟羅  良
佐々木 祝雄
松村   緑
ものいわぬ農民
三十八度線
薄田泣菫
岩波書店
全国引揚孤児育英援護会
角川書店
第7回
1959年
竹田  米吉
曽宮  一念
村川 堅太郎
職人
海辺の熔岩
地中海からの手紙
工作社
創文社
毎日新聞社
第8回
1960年
高橋  喜平
中尾  佐助
萩原  葉子
雪国動物記
秘境ブータン
父萩原朔太郎
明玄書房
毎日新聞社
筑摩書房
第9回
1961年
秦田 蓁三郎
宮本  常一
庄野  英二
和時計
日本の離島
ロッテルダムの灯
東峰書院
未来社
レグホン舎
第10回
1962年
小門  勝二
小島  亮一
大平 千枝子
散人
ヨーロッパ手帳
父阿部次郎
私家版
朝日新聞社
角川書店
第11回
1963年
新保 千代子
林   良一
石井  好子  
室生犀星
シルクロード
巴里の空の下オムレツのにおいは流れる
角川書店
美術出版社
暮しの手帖社
第12回
1964年
片岡  弥吉
錦   三郎
関山  和夫
浦上四番崩れ
蜘蛛百態
説教と話芸
筑摩書房
赤光発行所
青蛙房
第13回
1965年
佐々木 たづ
阪田  貞之
秋吉   茂
ロバータさあ歩きましょう
列車ダイヤの話
美女とネズミと神々の島
朝日新聞社
中央公論社
河出書房
第14回
1966年
白崎  秀雄
西山  卯三
阿部   孝
真贋
住み方の記
ばら色のばら
講談社
文藝春秋
高知新聞社
第15回
1967年
宮本  又次
安住   敦
佐藤  達夫
関西と関東
春夏秋冬帖
植物誌
青蛙房
牧羊社
雪華社
第16回
1968年
団藤  重光
泉   靖一
畑   正憲
刑法紀行
フィールド・ノート
われら動物みな兄弟
創文社
新潮社
協同企画社
第17回
1969年
佐貫  亦男
戸井田 道三
板東三津五郎
引力とのたたかい?とぶー
きものの思想
戯場戯語
法政大学出版局
毎日新聞社
中央公論社
第18回
1970年
仲田 定之助
島田  謹二
芥川 比呂志
菊池   誠
明治商売往来
アメリカにおける秋山真之
決められた以外のせりふ
情報人間の時代
青蛙房
朝日新聞社
新潮社
実業之日本社
第19回
1971年
池宮城 秀意
大谷  晃一
沖縄に生きて
続関西名作の風土
サイマル出版会
創元社
第20回
1972年
堀   淳一
角川  源義
地図のたのしみ
雉子の聲
河出書房新社
東京美術
第21回
1973年
鳥羽 欽一郎
斎藤  真一
樋口  敬二
二つの顔の日本人
瞽女
地球からの発想
中央公論社
日本放送出版協会
新潮社
第22回
1974年
上田   篤
川田  順造
早川 良一郎
日本人とすまい
曠野から
けむりのゆくえ
岩波書店
筑摩書房
文化出版局
第23回
1975年
加古  里子
木村 尚三郎
児玉  隆也
松本  重治
遊びの四季
ヨーロッパとの対話
一銭五厘たちの横丁
上海時代(上中下)
じゃこめてぃ出版
日本経済新聞社
晶文社
中央公論社
第24回
1976年
中野  孝次
渡部  昇一
高峰  秀子
ブリューゲルへの旅
腐敗の時代
わたしの渡世日記
河出書房新社
文藝春秋
朝日新聞社
第25回
1977年
沢村  貞子
杉本 秀太郎
亀井  俊介
私の浅草
洛中生息
サーカスが来た!
暮しの手帖社
みすず書房
東京大学出版会
第26回
1978年
野見山 暁治
藤原  正彦
長坂   覚
四百字のデッサン
若き数学者のアメリカ
隣の国で考えたこと
河出書房新社
新潮社
日本経済新聞社
第27回
1979年
篠田  桃紅
斉藤  広志
百目鬼恭三郎
墨いろ
外国人になった日本人
奇談の時代
PHP研究所
サイマル出版会
朝日新聞社
第28回
1980年
三国  一朗
太田  愛人
小松  恒夫
肩書きのない名刺
羊飼の食卓
百姓入門記
自由現代社
築地書館
農山漁村文化協会
第29回
1981年
関   容子
古波蔵 保好
両角  良彦
日本の鶯
沖縄物語
1812年の雪
角川書店
新潮社
筑摩書房
第30回
1982年
足立  巻一
伊藤  光彦
岡田 恵美子
虹滅記
ドイツとの対話
イラン人の心
朝日新聞社
毎日新聞社
日本放送出版協会
第31回
1983年
舟越  保武
藤原  作弥
志賀 かう子
巨岩と花びら
聖母病院の友人たち
祖母、わたしの明治
筑摩書房
新潮社
北上書房
第32回
1984年
吉行  和子
尾崎 左永子
佐橋  慶女
どこまで演れば気がすむの
源氏の恋文
おじいさんの台所
潮出版社
求龍堂
文藝春秋
第33回
1985年
関  千枝子
北小路  健
清水  俊二
広島第二県女二年西組
古文書の面白さ
映画字幕五十年
筑摩書房
新潮社
早川書房
第34回
1986年
田村  京子
豊田  正子
中村  伸郎
北洋船団女ドクター航海記
花の別れ
おれのことなら放っといて
集英社
未来社
早川書房
第35回
1987年
金森  久雄
堀尾 真紀子
渡辺 美佐子
男の選択
画家たちの原風景
ひとり旅一人芝居
日本経済新聞社
日本放送出版協会
講談社
第36回
1988年
北見  治一
田中 トモミ
山形  孝夫
回想の文学座
天からの贈り物
砂漠の修道院
中央公論社
アドア出版
新潮社
第37回
1989年
河村  幹夫
酒井   寛
平原   毅
シャーロック・ホームズの履歴書
花森安治の仕事
英国大使の博物誌
講談社
朝日新聞社
朝日新聞社
第38回
1990年
澤口 たまみ
二宮  正之
山川  静夫
虫のつぶやき聞こえたよ
私の中のシャルトル
名手名言
白水社
筑摩書房
中央法規出版
第39回
1991年
岩城  宏之
林    望
山崎  章郎
フィルハーモニーの風景
イギリスはおいしい
病院で死ぬということ
岩波書店
平凡社
主婦の友社
第40回
1992年
加藤  雅彦
山崎  柄根
山本  博文
ドナウ河紀行
鹿野忠雄
江戸お留守居役の日記
岩波書店
平凡社
読売新聞社
第41回
1993年
志村 ふくみ
鈴木   博
中野  利子
語りかける花
熱帯の風と人と
父中野好夫のこと
人文書院
新宿書房
岩波書店
第42回
1994年
伊吹  和子
岸   惠子
中山  士朗
われよりほかに
ベラルーシの林檎
原爆亭折ふし
講談社
朝日新聞社
西田書店
第43回
1995年
加藤  恭子
徐   京植
星野  慎一
日本を愛した科学者
子どもの涙
俳句の国際性
ジャパンタイムズ
柏書房
博文館新社
第44回
1996年
石坂  昌三
辻   由美
柳澤  桂子
小津安二郎と茅ヶ崎館
世界の翻訳家たち
二重らせんの私
新潮社
新評論
早川書房
第45回
1997年
中丸  美繪
松本  仁一
山田   稔
加藤 シヅエ
嬉遊曲、鳴りやまず
アフリカで寝る
ああ、そうかね
百歳人、加藤シヅエ 生きる
新潮社
朝日新聞社
京都新聞社
日本放送出版協会
第46回
1998年
岸田 今日子
小林  和男
細川  俊夫
妄想の森
エルミタージュの緞帳
魂のランドスケープ
文藝春秋
日本放送出版協会
岩波書店
第47回
1999年
小塩   節
金森  敦子
浜辺  祐一
木々を渡る風
江戸の女俳諧師「奥の細道」を行く
救命センターからの手紙
新潮社
晶文社
集英社
第48回
2000年
多田  富雄
鶴ヶ谷 真一
八百板 洋子
独酌余滴
書を読んで羊を失う
ソフィアの白いばら
朝日新聞社
白水社
福音館書店
第49回
2001年
青柳いずみこ
三宮 麻由子
簾内  敬司
青柳瑞穂の生涯
そっと耳を澄ませば
菅江真澄  みちのく漂流
新潮社
日本放送出版協会
岩波書店
第50回
2002年
デビット・ゾペティ
日高  敏隆
四方田 犬彦
旅日記
春の数えかた
ソウルの風景
集英社
新潮社
岩波書店
第51回
2003年
上野   創
黒川  鍾信
古庄 ゆき子
がんと向き合って
神楽坂ホン書き旅館
ここに生きる 村の家・村の暮らし
晶文社
日本放送出版協会
ドメス出版
第52回
2004年
畠山  重篤
松尾  文夫
柳澤 嘉一郎
日本<汽水>紀行
銃を持つ民主主義
ヒトという生きもの
文藝春秋
小学館
草思社
第53回
2005年
久我 なつみ
滝沢  荘一
竹山  恭二
日本を愛したティファニー
名優・滝沢修と激動昭和
報道電報検閲秘史
河出書房新社
新風舎
朝日新聞社
第54回
2006年
小林  弘忠
内藤  初穂
中島 さおり 
逃亡「油山事件」 戦犯告白録
星の王子の影とかたちと
パリの女は産んでいる
毎日新聞社
筑摩書房
ポプラ社 
第55回
2007年
植村  鞆音
畑中  良輔
山口  仲美
歴史の教師 植村 清二
オペラ歌手誕生物語
日本語の歴史
中央公論新社
音楽之友社
岩波書店
第56回
2008年
堤  未果
山本 一生
ルポ 貧困大国アメリカ
恋と伯爵と大正デモクラシー
岩波書店
日本経済新聞出版社
第57回
2009年
平川 祐弘
池谷  薫
アーサー・ウェイリー 『源氏物語』の翻訳者
人間を撮る―ドキュメンタリーがうまれる瞬間(とき)
白水社
平凡社
第58回
2010年
秋尾沙戸子 『ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後』 新潮社
第59回
2011年
田中 伸尚
内田 洋子
『大逆事件―死と生の群像』
『ジーノの家 イタリア10景』
岩波書店
文藝春秋
第60回
2012年
井口 隆史
小池  光
『安部磯雄の生涯』
『うたの動物記』
早稲田大学出版部
日本経済新聞出版社
第61回
2013年
尾崎 俊介 『S先生のこと』 新宿書房
第62回
2014年
後藤 秀機
佐々木健一
『天才と異才の日本科学史』 
『辞書になった男』
ミネルヴァ書房
文藝春秋
第63回
2015年
磯田 道史 『天災から日本史を読みなおす』 中央公論新社
第64回
2016年
阿部菜穂子
温 又 柔
原  彬久
『チェリー・イングラム』
『台湾生まれ 日本語育ち』
『戦後政治の証言者たち』
岩波書店
白水社
岩波書店
第65回
2017年
鳥海  修
原田 國男
『文字を作る仕事』
『裁判の非情と人情』
晶文社
岩波書店
 第66回
2018年
内藤 啓子
新井 紀子
枕詞はサッちゃん―照れやな詩人、父・阪田寛夫の人生
AI vs. 教科書が読めない子どもたち
 新潮社
東洋経済新報社
 第67回
2019年
小堀鷗一郎
ドリアン助川
『死を生きた人びと 訪問診療医と355人の患者』
『線量計と奥の細道』
みすず書房
幻戯書房
 第68回
2020年
岩瀬 達哉
上野 誠
『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』
『万葉学者、墓をしまい母を送る』
講談社
講談社
 第69回
2021年
さだまさし
柳田由紀子
『さだの辞書』
『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』
岩波書店
集英社インターナショナル
 第70回
2022年
松本俊彦 『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』 みすず書房